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しばらくすると春翔が現れ
「こんにちは!あ、五十嵐さん
すみません、お待たせしました」
「いらっしゃい、はいこっちどうぞ」
湯浅が声をかける。
「桜井くんも、やっぱりゆるキャラじゃない?」小声でマキに言う。
「ふふふ、湯浅さんたら」
何のことか分からず、きょとんとする
春翔に向かってマキは笑いながら
「で、なんのご用事?」
「五十嵐さんにお願いありまして、僕もカメラでパンダ撮りたいなって思うんですけど。プロに頼むのはおこがましいですが、一度一緒に初心者にもオススメのカメラとか見に行ってもらえるお時間頂けないですか?」
「え?そんな事。なんかもっと重大なお願い事とかあるのかと思った」
マキは春翔に微笑みかけた。
(いや、十分僕にとっては緊張して誘ってるんだけど)心で春翔は思った。
一緒にカメラを買いに行き、使い方を教えてもらうようになり、お互い、時間が合うと笹の葉は、2人のカメラ教室になっていた。
「桜井くん、今度は私のお願い事しても良い?」
「え?もちろんです!なんですか?」
「今の部屋にね、何かグリーンを置きたいの。と言ってもあんまり世話はうまく出来ないかもしれないけど、おすすめの植物あったら教えてほしいなって思って」
「あ、それならお任せください。でもどうしてもグリーン置こうと思ったんですか?」
「なんかね、以前湯浅さんにも言われたけど肩肘張って生きてるなって自覚し始めて、部屋にグリーン置けば少しは和めるかな?とか」
「なるほど。植物は良いです。体にも脳にも効きますよ」
「だよね。うん、お願いします」
「じゃあ今度、うちの職場来てください。色々取り寄せておきますから」
「ありがとう!」
リバーガーデンを訪ねたマキは、2人でグリーン選びをしながら屈託なく話をする。お互いが心地よい時間を送れるのは、たくさんのグリーンに囲まれているからだけではないだろう。
「あ、これ良いな?」
「フランスゴムの木ですね」
「名前、そうなんだ」
「はい。これも育てやすいですよ」
「じゃあこれにしようかな?」
「分かりました。ちょっと大型なので、もし迷惑じゃなければ僕が車で運びますけど」
「え?良いんですか?」
「はい。玄関前までお持ちしますよ」
「助かります。ありがとうございます」
春翔は何気なく言ってみたものの、初めてプライベートな場所に行く事に、マキからの抵抗がなかった事にホッとした。
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