異世界を防衛せよだと?

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「もう1つ問題が」 問題? あの天使の性格以上な問題があるのか? 「この国は崩壊寸前なんです」 「それって他国が攻め込んで来たからっしょ?」 「いえ、国内での紛争が絶えないんです」 共和国といっても種族間の小競り合いは以前からちょくちょくあり、最近では自治州による国を無視した行動が目に余るようになってきた....らしい。 「中でも獅子族を中心とした獣人の自治州は元来戦闘民族で血気盛んな者が多く、別の自治州に難癖をつけては攻め込み、まるで盗賊まがいの悪事を働くという始末....」 「国の中央は?軍隊は?」 「現在の大統領になってからは見て見ぬふりといいますか、私腹を肥やすのに一生懸命で....はっきり言えばクズですね」 ....何かダメダメじゃん、この国。 「それで、この賢者の石は....」 「今のところは情報が漏れていませんが、中央や他の自治州にこの存在を隠し通せるとは思えません」 だよねえ。 「我々は世界の平和を望んでいます、賢者の石は全ての採掘が終了した後にファヌエル様のお力で異空間に閉じ込める事になっています」 異空間.... 「全ての作業が終了するまでこの自治州、いえこの世界を守るのが我々に与えられた使命です!」 ....いや、俺はただの地縛霊なんだけど。
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