3人が本棚に入れています
本棚に追加
/131ページ
声を上げて泣いた。どれだけ叫んでも足りないくらい、大鎌で切り刻まれたような哀しみは途絶えてくれなかった。泣けば泣くほど、叫べば叫ぶほど、より勢いを増して私を打ちのめす。
どうしてこうなってしまうんだろう。世界がただただ憎い。恨めしい。呪いたくなる。今まで散々死にたくないって思わせたくせに、どうしてこんなに容赦なく地獄の淵に叩き落としに来るんだろう。
もっとずっと一緒に居たかった。
もっとずっと一緒に居てほしかった。
もっといろんな話をしたかった。
もっといろんな話を聞きたかった。
しょうもないことで笑い合いたかった。
どうでもいいことで喧嘩したかった。
もし叶うなら、一日だけでもいいから彩と二人でどこかに行ってみたかった。
それだけじゃない、数え切れないくらい多くのやりたいことがあったのに。どうしてこうなってしまうんだろう。どうして病気の私より先に彩が死ななきゃいけないんだろう。私たちが紡いできた時間は、そんなに世界にとって都合の悪いものだったということだろうか。
最初のコメントを投稿しよう!