夏休みに死んだ彼女

１－１

それからもう少しだけ時間が経って、ようやく私の番号が呼ばれた。長いことソファに座っていたおかげで凝り固まった身体をほぐしながら会計を済ませる。
　もし時間ができれば短い間でも部活に行こうかと思っていた。でも今はもう午後の四時を過ぎたところ。この時間から行ったところで、どうせすぐに終わるだろうな。それなら、とそのまま家に帰ることにした。
（うわぁ〜、暑そうだな〜……）
　病院の中から外を見ただけで嫌というほど伝わってくる。ちょうど外を看護師さんがハンディファン片手に歩いていったけど、そんなの気休めにもなってないとでも言うような顔色をしていた。こんな中歩いて帰るとなったら、玄関からお風呂場直行ルートが簡単に想像できる。
　サッパリできるのは良いけど……それまでが地獄なんだよなぁ……。
　会計まで全部済ませたくせ、私はブラインドの隙間から見える外の様子を眺めるだけで、その場から動くことを躊躇っていた。どうせ夕方になっても暑いのは変わらないんだから、今のうちに帰った方が良いのは自分でも分かってる。お母さんにも今しがた、「定期健診終わったよ」ってＬＩＮＥしたばっかりだし。