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理想の家族
この度卒業出来た俺はこれから在宅で外国語翻訳の仕事をする事になった。フリーランスだから自分都合で自由な時間がとれるし時折店長のお店のお手伝いもさせて貰っている。
「行ってくるね」
『行ってらっしゃい』
俺は輝さんに玄関で口付けて見送った。俺の旦那様は出会い当初こそ現場で犯罪者をとっ捕まえていた冷酷警察官と名を馳せていたけれど今じゃ上の方で仕切る司令塔だもんな…。
まだ仕事の時間には早いから家事を一通りしてから俺の為に用意された書斎へと向かった。
『ふぁー…』
最近の輝さんはやけに夜が執拗い。
元々ねちっこい感じだったけれど卒業した事もあって子作り許可してからは特にだ。それに対して俺も別に嫌じゃないから構わないんだけどもう少しだけ落ち着いて欲しい。
ゆっくり家事をしてから仕事をこなしていく。珈琲を入れようとして匂いを嗅いだ途端急に吐き気が襲う。
『…うっ』
店長のお店で買ったお気に入りの珈琲なのに。どうしてだか分からないけれど今は珈琲を飲む気になれなくて俺はそのまま体調も悪い事だしベッドで眠る事にした。
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