『スマホ人間』

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『スマホ人間』

『これは、フィクションです。悪意はありません。』 技士長さん 『よし。埋め込み完了。さあ、これで、君は、まっとうな、スマホ人間だ。』 スマホ人間さん  『なにも、変わりはありませんが。』 技士長さん  『頭のなかで、電話機能。と、思いたまえ。すると、数字キーが見えるから、あとは、矢印を使って押すか、数字をイメージしろ。ちょっと、練習が必要だが、予備訓練したろ。』 スマホ人間さん  『やってみます。うーん。うーん、うーん。あ、出たあ❕』 技士長さん  『よし、掛けてみろ。』 スマホ人間さん  『発信します🎵 ぷー、ぷー、ぱー、ぴーぼー、ぷー、かー、はー。』 技士長補さん  『あ、来ました。』 技士長さん  『よし。いいか、頭のなかで、会話ができる。やってみろ。』 スマホ人間さん  『はい。《えー、また、技士長さんは、えらいものを作りましたね。》』 技士長補さん(通常のスマホ)  『《天才だよ。まさに。》』 スマホ人間さん  『《多少、行き過ぎかも。神様を甘く、見てませんかしら。》』 技士長さん  『甘くは見てないよ。人間の品質アップだ。』 スマホ人間さん  『あ、聴いてるんですか?』 技士長さん  『これは、政府機関用の、盗聴モードで、一般には使えない。』 スマホ人間さん  『頭に、へんな、影響ないですか?』 技士長さん  『重力波だし、ないはずだ。実験では。次に、ホームページを見る。まず、解除モードにしろ。いいか、さらに、スマホモードにする。思うだけだ。あたまで、アドレスを入力しても良いが、バーコードも、QRコードも、見るだけで入力される。ほら、これを見よ。』 スマホ人間さん  『おわ! 新発売のスマホラーメン🍜🍥❗』 技士長さん  『注文も、すぐできる。支払いは、当然ながら、電子マネだ。やってみろ?』 スマホ人間さん  『えと。あら。つつと。あ、できました。すぐ、配達されます。と。』  配達専用テーブルの上に、人気のスマホラーメンがみっつ、現れた。 🍜🍜🍜    技士長  『よしよし。上手いもんだ。さて、いまは、頭の中の通話だが、音声会話モードでやってみよう。指令は、意識だぞ。思え、さらば、開かれん。』  スマホ人間さん  『はい。うーん。うーん。うーん。あ、開きました。あー、もしもし。』  技士長補さん  『はいはい。どおぞ、よく、分かります。』    すると、お腹がスピーカーになって、はっきりと周囲にも聴こえる。  技士長さん  『ちょっと、うるさいから、ボリューム下げよう。意識するだけね。』  お腹が振動し、健康にも、良いかもしれないが、まだ、調査中。  スマホ人間さん  『はい。こ、うーん。これで、いかが、もしもーし。』  技士長補さん  『ちゃんと、来てますよ。移動してますが、まったく、問題ないです。』  技士長さん  『いまは、まだ、小規模だが、すぐに、宇宙むけの通信も可能だ。火星とだって、話ができるが、まだ、時間差があるのは、ネックになる。それと、エネルギーだな。』    スマホ人間さん  『あ、めまい、しました。』      ばたんと、倒れる。  技士長さん  『あ。エネルギー切れだ。すぐ、注入しろ。』  医師さん  『あら。死んでます。これは、予想外に、エネルギーを食いましたね。個体差が、まだ、大きいかもしれない。』  技士長さん  『まあ。最初期の実験としては、成功だ。手厚く、葬れ。労災には、しないように。』  これは、まさしく、新しい時代のまくあけであった。  初代スマホ人間さんは、英雄として、社内に、銅像が作られている。  その後、全人類は、スマホ人間さん、となり、さらに改良を重ねて、やがて、超量子コンピューターと接続され、スーパー・スマホ人間さんとなったのである。  学校も、試験も、必要はなくなり、個体差は、解消された。  全人類が、統合され、個人の概念は無くなり、死も、無くなったのである。  地球人類は、宇宙を駆け巡ったのだ。         🌎        やましん  『あの、いや、それは、やはり、行き過ぎでしょうか?』  技士長さん役  『やはり、最後、殺すのは、良くないですな。戦争ではないし。』  技士長補さん役  『でも、開発に、犠牲はついて回るから。それに、実際に有ったという、噂はありますし。労災かくしは、良くないのでは?』  技士長さん役  『まあ、伝説だからなあ。まして、兵器じゃないからなあ。それに、やや、ダークなフィクションだから、いいのでは?』  スマホ人間役さん  『やはり、死ぬ役は、抵抗あるかも。』  やましん  『うん。でも、やはり一部、改訂しますかなあ。まあ、これから、火星に行くから、また、帰ってからね。』                   おしまい
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