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蜃気楼の感触
一
指で操作するスマホアプリは、音声入力で操作するスマホアプリの出現により、時代に終わりを迎えた。
音声入力で操作するスマホアプリ「マジックボイス」の運営事務局は、スマホアプリをEスポーツ化し、オリンピックの正式種目にする計画を奨める中、脳波で操作するスマホアプリがこれに対抗してくるが、激戦の末、脳波チームに音声チームが勝利する。
「マジックボイス」はオリンピック種目として認められ専用のEスポーツ専門学校が設立され、チームマイノリティ0が「マジックボイス」日本代表として世界と対戦し、銀メダルを獲得する。
これを期に、マジックボイスのプレイヤーは急増し、ユーザー同士が激しいランク争いを行うようになる。そんな中、嘗てランキング上位だったが斜陽のギルドとなってしまった「みんとキャンディーズ」は再びランキング争いに挑む。
ランキング争いを制した「みんと☆キャンディー ズ」は解散したが、マジックボイスには続きがあった。
メタバースの出現である。
もともと「音声入力で呪文を詠唱して対戦するスマホアプリ」を開発していた、マジックボイスの運営事務局はその舞台をメタバース空間に転向させるべく、新たに作られたメタバース空間に全てのデータを移動させたのだ。
運営事務局を買収して、新たな代表となった女、本乃しおりがマジックボイスのあらゆるシステムを一新させ、自身の出身地である広島県の呉市をモデルにした仮想都市「クレシ」を立ち上げた。
そんな「クレシ」で一組のギルドが名乗りを上げた「ねおにゃワールド」という総勢九名のギルドであり、今、私が最も推しているギルドである。
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