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第1話 役立たずの聖女
はじめは……なんだって出来た。
望みがあれば、その望み通り……『渡しの聖女』と呼ばれていた私は、異なる世界より様々な品を召喚することが出来たのだ。
だけど。
「……今日も」
何故か、ある時からそれが出来なくなってきた。
召喚するものを、ステータスで確認しても……全てが『ゴミ』『ガラクタ』などと、役に立たないものばかり。
元のように、ちゃんと聖女として召喚魔法を使うことが……出来なくなってしまったのだ。
何度も、何度も。
それこそ、寝る間も惜しみ、血反吐を吐くような思いをしてまで繰り返しても。
私は……二度と、元の聖女の魔法を扱うことが出来なくなってしまった。
これには、さすがに王族も見逃すわけがなく。
「ミラジェーン=アクエリエス!! 貴様は最早聖女でもなんでもない!! 王城から立ち去れ!!」
慈悲のない、見下した宣告。
無理もない。私は本当に役立たずの聖女だった者でしかないから。
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