590人が本棚に入れています
本棚に追加
第3話 役に立てた聖女①
何、なに、なに……!?
何が起こっているのか……さっぱり、わからなかった。
とにかく、辺りにはバリ、ボリ、とか。
カリカリカリ……と言った、奇妙な音で静寂とは無縁な音が響き渡っている。
私は……あのもこもこの精霊が、目の前で私の召喚した『異界のゴミ』を貪るように食べているのが……信じられなかった。
『うんま〜〜!!』
そして、ついに。
半分近く、ゴミを食べ終えた精霊が……口を開いた。と言うより、念話……テレパシー?
頭に直接響いていたので、直接的な会話ではないと……思う。
見渡しても、私以外の人間はいないし、他の存在すらいない。となれば、目の前の精霊が発した以外考えられないはず。
『うんま〜〜!! めっちゃ、うんま〜い!! なんやこの食感!! 最初はかったいのに、口に入れたら蕩けていくで〜〜!! 飽きない味やし、めちゃくちゃうんま!!』
よくわからない……けど。
言葉の訛りもだが、テレパシーの声音を聞く限り……男性体なのか。あのゴミを非常に気に入ったのか、なくなるまで夢中になって食べ続けていた。
最後の方には、バクバク、ばっくん! と言う具合に食べ終えてしまい……身震いをすると、くるんと私の方に振り返ってきた。
『おおきに、姉ちゃん!』
「!? わ……たし?」
『姉ちゃん以外居らへんやん? 変な反応やなあ?』
最初のコメントを投稿しよう!