第三章 正吾と朋

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 脱衣所で、乱れた正吾の衣服を解く朋。  もう何度となく繰り返されてきたそれは、儀式めいたものだった。  正吾の背に、朋は指を滑らせた。  そこには、極彩色の竜が彫られている。 「もうこれで、見納めかもしれないぞ?」 「覚悟しました」  どんなに元気に見えようと、正吾に残された時間は少ない。  朋はそれを肝に銘じ、彼の体を流した。  シャボンを泡立てたスポンジで、ていねいに洗う。  その性器を手に取り、そっと撫でる。 「いい気持ちだ」 「もっと、続けますか?」 「いや、いい。あまり、ゆっくりできないんだ」  だが正吾は、朋と二人でバスタブに浸かってくれた。  いつものように仲良く、100まで数えた。
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