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……どうやってもパチパチ火花が弾けてるし、星屑の欠片が絶えずキラキラと落ちてくる。体中眩しくて今夜も寝付けない。
早く目覚めた朝にしたのは、私の中に残った感触と感覚を断ち切ること。
ハサミで……チョッキンと。
前髪は短くしたし伸びた髪は後ろでひとつに結いた。耳が出てるとソワソワするし首筋もスースーしてやっぱり落ち着かない。
でも我慢をして過ごしてみると、友達は褒めてくれたし慣れてきて。これで今日こそはまともに絵が描けるだろうと考えたのも束の間!!
葵ひとだ。急いで柱の影に隠れる。
一階の廊下に降りると、腕組をして仁王立ちしている姿が行先にあった。そこを通らないと美術室に行けないのに。
今日はYシャツをきちんと制服のズボンに入れている。
……身長は176センチ。ウエストの位置からして短足ではない。上履きのサイズは27かな?
やはり美術モデルにしても良さそうな……ついコソコソと観察をしてしまった私は我に返る。
髪型も変えたし気付かれないのでは?
どうにか廊下の隅の方をこっそり通って見つからないように、、、
「大井田原真白!」
「はいっ」
急に呼び止められクイクイと指でこっちに来いと合図する。初めから私を待ち構えていたのだろうか。壁に貼られたネームプレートを指差し、むっとした顔でこじんまりした私を叱る。
「ましろ、言って!間違えてたじゃん」
「……はい」
「コレずっとここにあったろ?
応接室の真ん前だから何度も見てて……
すげぇ綺麗だって思ってた。真白の絵だったのか」
そう言ってプレート上の額縁で飾られた私の絵を……念入りに観賞している。
これは高校に入って最初に描いた作品でコンクールで大賞を取った。
「コレ桜……だよな?
花火のエフェクトかけたの?画出効果狙ってデザインした?」
「エフェクト?」
「……真白にはこうゆう風に見えるってこと?」
「!?」
心臓が大きく跳ね上がる。
強い眼差しが私の瞳を覗き込んで、またパチパチと絵の中の桜達みたいに私の体が弾ける。
「ん?真白、髪切ったの?
……よしっ!決めた。ちょっと来て」
「えっ?何!?」
私の手首を拘束すると強制的に伴って連れて行く。とても早足で私の体はヨタヨタと揺れるのに、がっしり支えられているような不思議な感覚。
掴まれた手首から伝わってくる熱がもどかしくて、反対の手がムズムズしてビリビリ……スカートを握って紛らわす。
そして美術室で私を解放すると突拍子もないことを彼は言った――――。
「俺の髪に色塗って。黒髪に戻して欲しい」
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