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君と生きる権利書
「なにこれ」
記念すべき恋人一周年の日に、いきなり渡された謎の紙。英語が並ぶそれを当然解読できるはずもなく、無意識に漏れ出た言葉だった。
僕の声が届いたのだろう。目の前にいた君は悪戯っぽく笑っている。
「月の権利書。いつか二人で住もうと思って」
ふはっ。思わず笑い声が漏れて、可愛らしい想像に涙を拭った。
「ねぇ、それ何年後?」
「知らない。別にずっと一緒にいるんだから何年後だろうと変わらないでしょ」
それもそっかと頷けば「そうだよ」なんて、自信ありげな言葉が返ってくる。
君は多分、月っていうより太陽だ。
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