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お祝い
「先生! 受賞おめでとうございます! 先生が……」
「先生! 僕は授賞式には行けませんが……」
「先生! きっと今年は先生の……」
パーティーから帰ると、たくさんのお祝いメッセージが届いていた。ご丁寧にも皆動画だ。世界各地に散った教え子たちが、彼らの世界を背景に笑っている。
その顔を見ていると、じんわりと幸せな気分になった。
「ふふっ」
最後のメールまで確認すると、自然と小さな笑いが漏れる。だが、その幸せは一瞬で、私はどこかから聞こえてきた砲弾の音に身をすくませた。
その戦場の音と同時に、幸せな気分も消えた。もう一度メールを見ても、そこにあった幸せはどこかに消えていた。何もない、どんな感情も浮かび上がってこない。
私の中には泥棒が住んでいて、私の中に生まれた全てをその泥棒が奪っていく。
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