1

3/10
前へ
/115ページ
次へ
俺が普段絡むことの多い先輩は4人いる。 1人目は俺をこんな地獄みたいな場所にぶち込んだ戦犯・嵯峨瑠千亜(さがるちあ)だ。 普段から俺のやることなすことが気に食わないのか、常に目を光らせ俺に注意してくる口うるさい奴だ。 俺が心の中で勝手に呼び捨てしている唯一の先輩でもある。 こいつが今日の合コンの幹事だ。 急遽女子側の人数が増えたとか何とかで、その場にいた俺が無理矢理連れ出されることになった。 2人目は瑠千亜とペアを組んでいる朱雀五郎(すざくごろう)先輩。 この人とは正直あまり絡みが無く、無害な人という印象しかない。 3人目は副キャプテンの冷泉優(れいぜいゆう)先輩。 この人もなかなか厄介だ。 規律正しく自分にも他人にも厳しいから、俺みたいに自主練をサボりまくってていつまでもテニスが下手くそなやつには特に厳しい。 瑠千亜のようにギャーギャーキレるタイプではないが、理路整然と正論を言ってくるから苦手ではある。 そして4人目が……… 「海吏、楽しめてる?」 俺の隣に座り優しく耳打ちをしてくれる、うちの部活の唯一の良心。 醍醐隼(だいごはやと)先輩だ。
/115ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加