おにもつ

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「こんな夜中にふざけんな!」 「それはこっちの台詞。それに、いまだから電話してるんだし!!」 「お前、頭おかしくなったんじゃねぇか?」 ねぇ・・、またあの女からなのぉー? 電話越しに吐息まじりの甘ったるい声がした。 二週間前、どっちが誘ったにしろ、まっ昼間にわたしの家のベッドにもぐり込んでいた泥棒猫だ。 お前は気にしなくていいから。 向こうでの会話にカチンと来る。 ー そんなやり取りを聞かなきゃいけないなんて ー まるでストーカーにでも困っているようなうんざりした洋司の声。 「何度聞いても、言ってることが意味不明なんだよ。お荷物って、俺は知らねぇーよ! とにかく残ってるものはそっちで適当に処分してくれていいから!!」 「・・・処分しろって」 どうやって? という前に電話は切れていた。 
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