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突然、富士山が噴火した。いや、噴火などという生易しいレベルのモノではなかった。
富士山の山頂から出る炎は空に向かって一直線に伸び、宇宙へと突き抜けるほどだった。
どこにそれほどのエネルギーを地球が蓄えていたのかと不思議に思うほどの激しい富士山の爆発的噴火は数日続いた。
そのジェットエンジンのような噴火により、地球は徐々に軌道から外れていった。
太陽から離れていくに従い、地球の温度は下がっていった。また、公転速度が増していくうちに地球を覆う大気が少しずつ宇宙へと拡散していき、やがて人類は絶滅した。
地球は大きな楕円を描くようにして太陽系を彷徨い、やがて土星の近くまでやってきた。
土星の裏側の衛星群の中に紛れるようにして秘密基地を築いていたパラポンパラ星人たちは、総動員して地球へと向かった。
富士山の噴火はとっくに納まり、地球は氷に覆われた死の惑星となっていた。
地球に取り付いたパラポンパラ星人たちはあらゆる地球の資源を盗掘し始めた。
もちろん、地球の地核エネルギーを利用して公転軌道を変え、死の星へと追いやったのは、地球のあらゆる生物、特に二足歩行で体の上部から聞くに堪えない騒音を発する生物が大嫌いなパラポンパラ星人たちだった。
終わり
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