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これはこれで
ここは、長年に渡り街と共に歩んできた歴史のあるホテルの一つ。
知る人ぞ知り、街の人に古くから愛されている。
階級社会なんてここでは、無意味。。
人間味溢れる古き良きホテルのだだっ広いロビーにある窓際に配置されたテーブル。。
二人用の席に座りながら。。。。。。。
私は、、、お見合いをしている。。。
眼の前に座る男性は、私より5歳歳が上の
まさに、大人の方。私の周りには居ない。。
そして穏やかな空気を纏う方のように感じた。
「初めまして。 僕は、五条実淳と申します。」
頭のさげ方〜身体を起こすタイミングにも
THE 歳上の方 の所作を感じる。。。
落ち着いた方だな。 そんな風に思った。。
私もまた同じように椅子に座ったまま頭を下げた。
「 初めまして。 私は、水瀬茜と申します。
何卒宜しくお願い致します。 」
私の装いは和装。頭を下げやすい着付けの仕方
に着付け師の思いやりの心を感じていた。
互いに初対面。だけれども焦らずに居られている
対面する方がきっと、私に目には見えない安心感を伝えてくれているからだ。そんな風に思った。
緩やかなバイオリンの音色が際立つクラシックの曲。
静かな空気と雰囲気が私達を優しく包んでいた。
始めてのお見合い。。。
気持ちがかなり明るくなっていく。。
五條
「 オフの日は何かされてますか? 」
真っ直ぐに見て聞いてきた。。
私は応える。
「 私は、インドア派志向が強くお家で
主に小説を読んでいます。 笑。 」
五條
「 あははは。 素直な方ですね。
僕も、 小説は 」
「 あははははは! んな訳ねえだろう?」
突然に割り込んでガツガツ来た!!!!!
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