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ゆっくりと目を開くと、少しずつ音が鳴らないようにサッシを引く。
人一人分の隙間が開いた所で体を滑り込ませ室内に目を向ける。
目を慣らしていたお陰で良く見える。
装飾品のない質素な部屋だ。
目につくものと言えばベッドが一つあるだけだというところを見ると、来客用の泊り部屋だろうか。
最近の老人は銀行を信用していないのか、タンス貯金として家に現金をしこたま隠し持っている。
金目の物はこの部屋にはない。
さっさとタンス貯金の一部を抜き取りに行こう。
「誰かいるの?」
ビクっと体が反応した。
突然、暗闇の中から若い女の声が聞こえた。
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