家族にドロボウされた

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「一瞬でも妻だった女が、男共の性奴隷だったのが悲しい?」 「そこからあのドロボウの方法を思いついたんだな。意外と、金持ち連中は孤独な奴が多く、だが奴らは金があるからすぐに別の女に乗り換える」 「そう。だから、貧しい人達を狙ったの。供給過多の市場より独占できるとこの方がいいってママが……ねえ、私達といたとき少しでも本気にならなかったの。全部嘘だったの?」  それには応えない。正直、かなり危なかった。だが、それを言って何になる。 「私、あなたのこと好きだったよ? これまでは誘惑すればすぐHするクズばっかりだったから……あなた、結局私を抱かなかったよね。それが、すごく嬉しかった。勝手にあなたのことパパって呼んでたよ。心の中で」  現実では妻役だったが、内心は娘の役でいたのか。皮肉だな。 「私には家族がいないし、これからも一人だよ」  去ろうとする。 「ねえ、ママはどこにいるの? ねえ、すぐ会えるよね。ねえ!?」 「彼女は余罪が多すぎる」  ミサキは母親に従っていただけだから、同情の余地はある。だが、アカリはドロボウ以外にもやばいのが多すぎた。おそらく、出るのは何十年先だ。
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