家族にドロボウされた

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 嫌なわけがない。もう、一人暮らしは嫌だ。朝も夜も食事は自分で用意し、洗濯もただでさえ仕事で時間がないのにしなきゃいけないし、ろくに洗えなかったら周りから白い目で見られる。いや、それよりも問題なのは――夜だ。  ただいま、と言って、おかえりが返ってくることはない虚無感。  ブラックホールのように深い闇は心が病みそうになる。一人で寂しく食事を取るのも辛い。 「分かった」気づけば、私は彼女達の誘いに乗っていた。「いいだろう。盗めるものなら盗んでみればいい」  私の仕事は大げさに騒いじゃまずいものだ。だから、だと……自分に言い聞かせた。  これは、彼女達の誘いに乗ったのは、もう一人の夜は嫌だったからと認められなくて。  朝。狭い1LDKの一室。  私は布団を占領していた。貴重品やノーパソなどは抱きかかえるように寝た。ドロボウ達はどこから持ってきたのか、テーブルを片付け寝袋を敷き、二人で寄り添って眠ったようだ。――で起きるとだ。 「おはよう、パパ。今日も朝早いんでしょ? がんばらないと仕事に遅れちゃうよ」  見ると朝の五時。私は起床時間を話してないのに起こしてくれたようだ。
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