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2、3人目
2人目は同じクラスのヤツだった。
可も不可もない、特別目立つわけでもなく、悪い噂もない、そんなヤツだった。
3年で瑞希と俺はクラスが分かれたけれど、そいつは、瑞希と同じクラスになった。
瑞希曰く、そいつから告白してきたらしい。
「断る理由がなかったから」
瑞希はそう言っていた。
けれど、そいつの性格が穏やかで、
瑞希も「ちゃんと女の子扱いしてくれるし、優しいよ」といって、わりと落ち着いた交際をしていた。
だから、俺も、その恋はたいして心配していなかった。
そのあいだに、俺にも彼女ができて、2人くらい付き合った。
瑞希とそいつが別れたのも、
瑞希は東京の大学に、そいつは地方の大学にいくことになったからだ。
そのときは凹んでいたけれど、本人も遠距離恋愛は無理だと言っていて、「仕方ないね」と笑っていた。
大学生になると、瑞希にはモテ期が来たみたいで、あちこちからお声がかかっていた。
仲良くなった子の誘いだと断れない、といっては、なにもない日は、俺のところへ愚痴りにきていた。
ある日、友人に頼まれて同行した映画同好会の先輩が、瑞希に好意をよせてきた。
瑞希はうまくかわしているようだったけれど、先輩の方が1枚上手で、強引に推しきられ、瑞希は先輩と付き合うことになった。
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