1話・集結LOVE応援部

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 ついにお見合い翌日を迎えてしまったわけだがどうしてか「お任せ下さい!」と最初に言っていた本人、季優の姿だけが約束の時間になっても見えないのは何故なのかにゃ? そして何故僕まで抱っこされて見合い場所の料亭に連れて来られているのだろうか? 「お前太ったんじゃね?」 お前が食わせ過ぎるからにゃ!出されたら出された分食ってしまうに決まってるにゃ!なんて僕を抱っこしてる優人に猫語で文句をぶつけながら夜宮の付き人のフリで夜宮とその両親の少し後ろの方にスーツ姿の優人と希空と服巻と座って待っていると、「お相手の方遅いわね」と夜宮の母が心配そうに夫に向かって声をかけた。 「忙しい方だからな。もうそろそろ来るだろう。麗花(れいか)、良いか?前から言ってるが今日のお相手の息子さんは私の上司の息子様なんだ。失礼のないように頼むよ?」 「はい、お父様」 鮮やかな着物に身を包んだ夜宮がにっこりと会釈した。 ふむ…こうして見ると夜宮の奴やっぱりお嬢様なんだなって感じがするんだにゃ。 「ねぇ、ちょっと。愛屋君何で来ないのよ?」 「何か抜けられない用事が出来たって…」 「はぁ?何よそれ?」 「知らねーよ!」 「はぁ…夜宮…綺麗だ…」 小声で喧嘩し出す2人にぽやぁ〜んと着飾った夜宮に見惚れている服巻。こいつら本当に今日のお見合い何とかする事出来るのかにゃ? 猫である僕の方がはらはらし始めて来たじゃにゃいか!どうしてくれるにゃ!?季優はいつ来るにゃ!?お前部長じゃにゃいか!? 苛苛と焦りが渦巻き始めた頃「お待たせして申し訳ありません」と上品そうな両親と一緒に本日のお見合い相手がやって来た。しかしその相手を見て僕達はポカンと空いた口が塞がらなくなった。やって来たのは普段と違う真面目な格好をした季優だったからだにゃ。
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