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「はっはっはっ。愛屋さんの息子様はユニークな方で素敵ですね」
「いやいやそんな…。麗花さんの方がとても素敵なお嬢さんですよ。ねぇ、季優?」
「はい。僕にはとてもとてもとてもとっても勿体無いお方です」
駄目だにゃ季優、目がぐるぐるになってるにゃ。テンパり過ぎて自分で何言ってるか分からなくなってるようにゃ。
「すみません、なんだか今日体調があまり良くないみたいで…大丈夫ですか季優?」
「は、はひっ…大丈夫でありんす、父上殿」
「ちょっとすみません」と季優の父は夜宮の両親に言うと「母さん、季優は今朝何を食べたんです?」と小声で心配そうに声をかけた。
「いつもと同じような物よ?変わったものは何も無かったはずだけど…」
「でも何だかいつもと様子がおかしくないですか?」
「そうね、やっぱりお見合いの話しもっと前に話してた方が良かったのかしら?」
「でもそうすると季優の事です、緊張し過ぎて逃げ出す可能性が高い……」
「そうなのよね…」
おい、お前らばっちり聞こえてるにゃ。…僕の耳にはにゃ。……それにしても予定ではそろそろヤンキーのフリした優人の後輩達がやって来るはずにゃんだが…何しているのにゃ?
僕は優人の膝から降りて窓際の方に歩いて行くと外を覗いた。
…ん?にゃんだ?外で何か揉めて……んん!?はっ!あれは優人の後輩達じゃにゃいか!?
あぁそうか、夜宮の家も季優の家もそれなりに名の通った名家だからセキュリティも超厳重になっていたのにゃ!!しまった何故忘れてしまっていたんだにゃ!?……と言うか何故部員じゃない野良猫の僕がこいつら何かの事でこんなに心配したり焦ったりしてやんなきゃならにゃ………
その時すぐ近くでチリンッと鈴の音が聞こえた。僕の首にかけられたハートのネックレスに付いた小さな鈴が鳴った音だった。
僕はその時ふとこのネックレスを貰った時の事を思い出した。
そうだにゃ…このネックレスをくれたのはLOVE応援部のこいつらだったにゃ……。
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