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飾り物なんて邪魔なだけ。小さい時からずっとそう思ってた。
だけどきっと違う。
温かい家があっていつも優しく話しかけてくれたり撫でたりしてくれる僕とは違う暮らしをしている飼い猫や飼い犬と呼ばれる首輪の着いたあいつらが本当は心の何処かで良いなぁって羨ましく思ってたんだにゃ。
だから希空が選んで買って来たこのネックレスを『プレゼントですよ』って季優がかけてくれた時今まで感じた事が無いたんぽぽの綿毛みたいなふわぁってした柔らかなあったかい気持ちを感じたんだ。あぁ僕にも帰る家が出来たんだってきっと嬉しくなったんだにゃ。
『似合ってるぞ、大吾郎!』って優人に言われた時は誰が大吾郎だにゃ!?って思ったけど…。
だから今みたいに応援部の皆が困ってるのを見ると無性に心配になったり焦っちゃったりしちゃうんだにゃ。…僕はこいつらが“大好き”になっていたから…………。
「ねぇ、愛内君の後輩君達いつ来るのよ?予定時間とっくに過ぎてるわよ?」
「おかしいな…あいつらもう来て良い頃なのに…」
「面倒になってやめたんじゃねぇのか?」
「いや、携帯には今着きましたって入ってんだよな」
ほら。と優人はこっそり携帯を2人に見せた。
優人の言ってる事も後輩達がもうとっくに到着してるのも嘘じゃないないにゃ。
ただ警備員に捕まっちまっただけなんだにゃ。……むぅ〜っ……こうにゃったら仕方ないにゃっ!!
「ふにゃあっ!!」
僕はプライドを全て捨てて見合い席のテーブルに飛び込んだ。そんでアホな事してるのを承知で頭が馬鹿になったように「にゃあにゃあ!」と小さい身体ででかいトラにでもなったつもりで嵐のようにジタバタ暴れ回った。
喰らえ!これがプライドを全部捨て身を呈して共のために飛び込む男の姿にゃあ〜っ!!
「わあっ!突然なんですか!?」
「この猫どっから来たんだ!?」
双方の父親が驚いて飛び上がると周りに居たお付きの人も従業員も当然のこどく皆パニックになって騒ぎ出した。
「あっ、大吾郎っ!」
優人馬鹿野郎っ!僕は大吾郎じゃにゃいって言ってるにゃ!
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