1話・集結LOVE応援部

1/21
17人が本棚に入れています
本棚に追加
/435ページ

1話・集結LOVE応援部

    [集結LOVE応援部]     突然だが僕は猫である。名前はまだにゃい。だから適当に“にゃん太”とでも呼んどいてほしいにゃ。ちなみにさび猫だにゃ。飼い主は居ないにゃ。好きな食べ物は水煮のマグロのシーチキン、趣味は昼寝、スレンダーな身体でこう見えて猫の世界では意外とイケメンの方と女の子猫達から評判が良い方だにゃ。と、まぁ僕の自己紹介はこれくらいにして…。 僕は産まれてすぐに母親と引き離されみかん箱に入れられ見知らぬ遠い川に捨てられてから大人になるまでの今の今までずっと1人きりで誰にも頼らず決められた寝床ひとつ作らず人間界でワイルドなサバイバル生活して潔く激しく生きてきた僕は今ようやく“安住(マイ)(ハウス)”となる場所を見つけ去年から住み始めている。 それがここ“Rich!花畑学園(はなばたけがくえん)”と言うネーミングセンスゼロのくそダサい名前の超金持ち中高一貫7階建ての学校だにゃ。 名前は仕方ないとしてこの学校全体はどっかの夢の国のテーマパークのようにだだっ広く学校名に花畑が付いてるだけあって学校のあちこち色とりどりの花や緑に囲まれておりそれはもう絵に描いたようなとても素敵な場所だし陽当たりも良いし天敵も居ないからお昼寝しやすくて快適な場所だから僕のような生き物は安心して暮らしやすいから最高の場所だにゃ。…ただひとつ気がかりなのは中庭のでかい噴水の銅像がまるで本人にセメントをつけたんじゃないかってくらい学園長とほぼ瓜二つだと言う事…。 学園長は優しいし猫好きだし僕が校舎の中を散歩しててても「あらぁにゃんちゃんまた来たのぉ?ご飯食べるぅ?」と良い歳の叔父さんの喉のどの場所からそんな声出るんだって一瞬眉間にシワが寄ってしまうような聞いてる方の背筋が震えるような気味の悪い猫撫で声でにこやかに話しかけて来ては僕がいつも校舎に居る事を分かってるからジャケットの裏ポケットにいつも隠し持っている学園長の体温で生温かくなった学園長の温もり100%のお魚のソーセージをくれたりするから別に構わないが、「なんか学園長に監視されてるみたいで嫌だよね」と生徒達からあの噴水の銅像はあんまり評判が良くにゃい。 ちなみに学園長は何処の店に行けばそんな柄売ってんだ?って聞き返したくなるような派手な柄のワイシャツをいつも着ているから生徒達からますます嫌がられてるにゃ。
/435ページ

最初のコメントを投稿しよう!