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「旦那様、奥様、私から宜しいでしょうか?」
おずおずと両家の間に割って入って来たのは夜宮の年老いた白髪の執事だ。
「佐藤何だね急に?お前は今日の事を知っていたのか?」
「はい、全てお嬢様から聞いて知っておりました」
「なら何故止めなかっ…」
「麗花お嬢様に悪気は無かったんです。ただまだ今を楽しんでいたかっただけなのです。家の事を忘れて1番子供らしく自由に過ごせるこの貴重な学生時代をただ…ただまだ思いきり笑って過ごしていたかっただけなのです。旦那様と奥様に秘密にしていた罰はしっかり受けます。ですがお嬢様の事と今回の騒動の事はどうか叱らないでやって下さいませ!」
「佐藤…。…お父様、お母様、申し訳ありませんでした!私が悪かったんです!まだ結婚はしたくないからと私の我儘で皆を巻き込んでお見合いを台無しにしようと計画を持ち込んだのは私です!佐藤や愛原さん、愛内さん、腹巻さん、もちろん見合い相手の愛屋さんは何にも悪くありません!お叱りは全て私が引き受けます!どうか皆様をお許し下さい!申し訳ありませんでした!」
「あっ、ちょっと夜宮さんっ!…ごめんなさい!私も悪かったんです!お嬢様だけではなく叱るなら私も叱って下さい!」
「俺もです!大体全部の計画の流れを考えたのは俺なんです!隣で伸びてる腹巻先輩の分まで謝ります!すいませんでした!!」
「お父様、お母様、僕も悪いんです!ごめんなさいでした!!」
あーあー、結局計画バラして皆で謝っちゃったにゃ…僕の頑張りっていったい…。皆のために全身全霊をかけて必死こいた僕の方が何だか1番泣きたくなってきちゃったにゃ…ふえぇ〜ん……。
「麗花…」
「季優…皆まで…」
2人の両親達は顔を見合わせると少し経ってから ふっ と笑みを浮かべた。
「まったく…まだ結婚したくないなら最初からそう言えば良かったのに…」
「お母様?」
母親に頭を撫でられた夜宮は目を丸くして顔をあげた。
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