2話・痩せたい片想いにゃ

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悲しそうな顔してトボトボ学園長室に戻って行くのを見送ってる間にさっきまでの眠気が吹っ飛んで目が覚めちゃったにゃ…。仕方ないこうにゃったら家の都合でいつも学校に来るのが早い希空でもたまには迎えに行ってやるとするかにゃ。外に出るは面倒だから下駄箱の辺りで待っててやるにゃん。 そう思って階段を降り3学年の下駄箱のある場所に向かって歩いて来ると「ど、どうしよう…」と声が聞こえた。 ん?誰か居るのかにゃ? おっとりした女の声っぽかったが希空の声では無い事は分かってる、だから違う人。気になって声のした方をこっそり覗いて見ると全身美味そうなボンレスハムみたいな体型の女子生徒が妙な紙切れをジッと見つめたまま下駄箱前に突っ立っていたにゃ。 あいつ何してるんだにゃ? 「……どうしよう。今時手紙で告白だなんてダサいって笑われちゃうかな?でも…電話番号とか知らないし…」 んん?なんだあいつ、誰かに好きって伝える気なのかにゃ?手紙がダサい?応援部(あいつら)なんてしょっちゅう手紙でやり取りしてるにゃ。(※携帯などの機械操作が苦手な夜宮が主に中心になってって話しです) 「や、やっぱりやめよう…」 え、やめちゃうにゃ? 女子生徒は手紙を鞄に入れ直すとその場から立ち去ってしまった。 にゃんで、やめちゃったにゃ?好きなら好きって言えば良いのに? 「あらエリザベス、なぁにお迎え?珍しいわね、たまには可愛いとこあんじゃない」 いちいちイラっとさせられるいつもの声が飛んで来た。僕があの女子生徒に構ってる間に希空が学校に到着していたみたいだにゃ。あと僕は大吾郎でもなけりゃエリザベスでもないにゃ。何回言ったら(僕の言葉が人間に伝わるわけないけど)分かるにゃ!? 僕の姿に気付いた希空は「おはよう」と言って僕の頭を撫で撫でするとすらりと長い足を伸ばして自分の下駄箱の方にスタスタと向かって行ったにゃ。 希空はいつも自信満々な女の子にゃ。猫の僕にはよく分からないけど優人達が「性格はともかく顔とスタイルは抜群に良い」と言ってたように確かに希空は黙って歩いてるだけで学年男女問わずどころか他校や一般の人達も一度すれ違ったら必ず振り返って二度見してるから人間界では美人の類いに入る女らしい。 「エリザベス、行くわよ。優しくて美人な私が貴方のために金の缶の魚を持って来てあげたのよ。朝ご飯まだでしょ?部室で食べさせてあげるから付いてらっしゃい」 「にゃあ!」 希空の言い方にイラっとするけど金の缶の鯖が食べれるなら許してやるにゃ!迎えに来て正解だったにゃ、さっさと部室に行くにゃ!
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