18人が本棚に入れています
本棚に追加
「本物の美人は心まで清く美しいんだな。夜宮さんの方がうんと綺麗だけど」
「うわぁ!あんな人に抱き締められてぇ!」
お前らまだ居たにゃ?さっさと帰れにゃ。自分の部活やれにゃ!……はっ!やる事 無いんだった、こいつら!
「でもよぉ、水泳部も大変だよなぁ…」
「えっ、何が?」
「あんだよ お前姫ちゃんファンのくせに知らねぇの?」
姫ちゃんファン?…あぁ、海宝のファンの事か。
「海宝パイセン何かあったんっスか?」
「姫ちゃんと同じ戦力だった部員が去年の夏の大会を最後に1人かけたんだよ。怪我っつったかな?肩だか膝だかどっちか怪我してドクターストップかかって二度と泳げなくなったんだ。だから今あちこちのメディアや雑誌から取り上げられるほど絶頂期だった頃よりだいぶ落ちちゃってな色々大変なんだと」
「部員じゃねぇからドンマイとしか言いようがねぇ…。そうかあのうふふあははおほほのキラキラパラダイスの裏側はそんな非常事態になってたんか……!」
僕の研いだばかりの鋭い刃で顔面引っ掻かかれたいんか?優人今までどんな目で水泳部見てたんだにゃ?二度と覗き見すんにゃ。
「渡辺さんって言ったかな?確かお前と同じ学年の女子のはずだぞ」
「え、渡辺?そんな奴居たっけかな?」
「まぁ顔見りゃ分かんじゃん?話した事なくても同じ学年の奴なんだから顔くらいは見た事あんじゃない?」
「あぁ、そうかもな」
いや見たって絶対分からにゃいぞ、こいつ。優人が周り気にして歩いてんのにゃんて一度も見た事ないにゃ。気にして歩くような奴ならその首に巻いてる変なマフラーとっくに外してるにゃ。
最初のコメントを投稿しよう!