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「…にゃぁおん」
はぁ。こいつらと一緒に居たら本当にアホになりそうだにゃ。やっぱり校舎内に戻るにゃ。
姫ちゃんが海宝パイセンがどうのこうの言ってる奴らを放って来た道を戻って下駄箱の所までやって来ると 今朝会ったあのでかい女とまた鉢合わせてしまった。
見るのは2回目だけどいつ見てもボンレスハム…いやチャーシューかにゃ?とにかく美味そうに肉付いた奴にゃ…じゅるる。
「…はぁ、どうしよう?」
紙切れ持ってまたため息吐いてるにゃ。何に困ってるんだにゃ?
「にゃあお」
「!…あっ、え、猫?なんで学校に…迷子になったの?」
なってにゃい。お前のため息が煩いから良い加減にしろって言っただけにゃ。
「あれ?渡辺?何してるん?」
また誰か来たにゃ。今度は誰にゃ?
「きっ、菊池先輩っ!!おっ、お久しぶりですっ!!」
ふぅん?この男 菊池って言うのか…。にしても渡辺のこの反応…。顔は真っ赤だし変な汗かき始めてるし、持ってた紙切れぐしゃっと握って慌てて背中に隠したし…間違いにゃい。こいつこの男が好きにゃんだ。
「肩の怪我大丈夫か?」
「は、はい!もう全然平気です!」
「そうか。なら良かった。…………。…じゃあ俺部活行くな?」
「あっ、はい!い、いってらっしゃい…です…」
「おう!つうか、猫居んじゃん!可ぁ愛い〜」
「にゃ〜」
僕の頭を撫でる菊池の鞄からかすかな塩素の香り…菊池も水泳部なのかにゃぁ?
ひとしきり僕を撫でて満足するなり菊池は「にゃん吉もまたな」と言って外へ出て行った。誰がにゃん吉だ?と思ったけど何でかあいつからは嫌な感じがしなかったからまぁ良しとするにゃ。
ってかこの女渡辺って肩の怪我って…まさか服巻が言ってたかけた水泳部員って渡辺の事かにゃ!?
どう見ても泳げそうにない体型のそいつを唖然と見上げてると渡辺は「はぁ〜っ!」と一段とでかい溜め息を吐いてその場にしゃがんだ?
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