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「うっ…うっ……」
渡辺はまだ泣いてる。と言うより泣き出して止まらなくなったって感じにゃ。
「ご、ごめんね、シロちゃん…私、泣いちゃって……ぐすっ…う''ぅ''……」
「にゃぁ…」
これじゃまるで僕が泣かせたみたいじゃにゃいか!?ど、どうしよう……!?
『そういや愛屋はどうしたよ?』
『きーちゃんなら勉強会に行ったよ』
「にゃ!!」
そういや季優の奴そんなのに参加してるって言ってたにゃ…、勉強会は確か一階の視聴覚室を借し切ってやってたはずにゃ。今朝学園長室で足組んでニュース観てた時にデスクに置きっぱになってた学園長のスケジュール帳に書いてあったにゃ。もう一回校庭に出てあの馬鹿2人呼んで来るより3階の部室で駄弁ってる奴らのとこに行くより季優の方が呼んで来やすいにゃ!渡辺、ちょっと待ってろにゃ!すぐ帰って来るからにゃ!
「ふにゃーっ!」
僕は走り出した。それはそれはもう疾風のごとく視聴覚室で勉強してる季優を呼びに全速力で駆け出した。見えて来た視聴覚室のドアの隙間からひらりとマントを靡かせるように中へ飛び込めば「待ってました!」と言わんばかりの黄色い歓声が…起こるわけもなく代わりに「きゃーーーっ!!」と悲鳴が湧き起こった。
「いやぁっ!!何か黒い物が入って来たわよ!!」
「まさかUMAか!?」
「写真写真!おい誰か新聞部呼んで来い!」
アホしか居ないのかこの学校!?
「にゃ〜っ!!」
勢い余ってぶつかってしまったカーテンの下から顔を出すと「あっ、猫だ!」と気付いて言った1人の声で皆が興味津々に僕の周りに集まって来た。
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