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普通猫がその場に現れると「可愛い〜!」とかどっかの学園長みたいに「にゃ〜んちゃん、どっから来たんでゅか〜?」と嬉しそうにめろめろになって笑顔が咲く事だろう。しかしこの勉強会に参加してたガリ勉達の反応は違った。
「やだ…野良猫よ?病気持ってんじゃない?」
「あぁそうだな、触らない方が良い。それに下手に刺激して引っ掻かれたらそこから細菌が入って病気になる可能性が非常に高い。皆あんまり近寄らない方が良い」
「つうか汚い色の猫だな。せめて真っ黒とかならまだ格好良かったのに」
予防注射打ってるし病気してねぇし、なんならさっき自分で感染防いで来たばっかだし、さび猫なんだから色はしょうがねぇだろうが!?つうかその前にこんだけの人数で眺めてんなら誰か1人くらい「怪我しなかった?大丈夫?」って言えにゃ!
「こらこら君たちまだ授業中だよ?席に戻りなさい」
本日の勉強会担当で英語教師の薗部が生徒達をかき分けて僕の所へ歩いて来た。
しまった、そういや学校には先生が居るの忘れてたにゃ。こいつらは生徒守るためなら容赦ないから追い出されちゃうにゃ。
「いったい何に集まっ…え、猫?なんでこんな所に……。…ん?ハートのネックレス…?」
か、顔が近いにゃ……。でも加齢臭まみれのオッさん学園長と違ってまだ若いし何か良い匂いがするから嫌悪感はしないけれど…にゃ、にゃんだろう…こいつ顔が良いから間近で見つめられると女の子じゃないのにド〜キドキしてくるにゃ…。
「にゃ、にゃ〜…」誰かたしゅけてぇ〜!
「(そう言えば学園長が前に応援部に“うちの猫”預けてるって言ってたな…もしかしてこいつの事か?なら預かり主は……)……愛屋君、この子君の部の猫かい?」
「えっ?」
「ふにゃ!」
今の返事した声、間違いにゃい!季優の声にゃ!!季優〜〜〜っ!!
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