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胸元に抱っこしていた僕を床に下ろすと「ごめんね、にゃんちゃん。仕事だから行ってくるね」と ようやく学園長は虹川ちゃんと一緒に去ってってくれた。
ふぅ、ようやく解放されたにゃ。しかしあの学園長去年より体臭が酷くなってるような気がするにゃ……。ふむ、仕方にゃい。いつもお魚のソーセージ貰ってるし後で柿の皮でも送っといてやるかにゃ。
『あらぁにゃんちゃん可愛い物付けてましゅねぇ〜』
ふと立ち止まってついさっき学園長が褒めてくれたばかりのハートのネックレスをジッと見た。
これは去年ある人間達からクリスマスプレゼントで貰った物だ。あの人達もさっきの学園長と同じようにこのネックレスを着けた僕を見て“可愛い”、“似合う”と沢山褒めてくれた。中には写真を撮っていた者も居た。
はっきり言って猫である僕にはよく分からないが何故人間は猫や犬、共に過ごす時間の長い動物にこのようなネックレスと言う名の首輪たるものを着けたがるのか?こんなものの何が良いと言うのか…。
考えながらいつもの場所、
3階の東角にある〔愛応援部〕と間抜けな怪しい部活動名が手書きされた画用紙が貼られた部室に入ると僕は普段寝転んでいる窓際の暖房機の上に飛び乗った。この場所は1番陽当たりが良くてお昼寝に最高なんだにゃ。
「にゃ〜ん…」
凝り固まった身体を背伸びでほぐしているとわいわいと楽しそうな話し声がこちらに向かって歩いて来るのが聞こえた。
ちぇっ。本当に束の間の自由時間だったにゃ…。
がっかりして尻尾を垂れ下げていると「いやぁ皆さん今日もお疲れ様でしたぁ〜」と先ににこやかな表情の男が入って来た。
そいつは派手な金髪頭をしていて前髪を上げ耳にピアスをジャジャラ着けたタレ目のクソヤンキーみたいな見た目のくせに特技は茶道と華道で性格は超穏やかで礼儀正しいと言う見た目と性格にギャップがあり過ぎる2年の愛屋季優。
そのすぐ後に入って来たのは季優の親友で1年の愛内優人。黒髪、切長二重の猫目でパッと見クールな青年だが母親が作ったらしいクレしん《※クレヨンしんちゃん》に出てくるミッチー&ヨシリンがいつもお揃いで着てる服みたいな はぁと柄の派手なマフラーを季節問わず首に巻いている変わり者で趣味は筋トレ。細い見た目の割に脱ぐと凄いと言う知る人と知る隠れマッチョ。
そして最後に入って来たのは僕が好きなミルクティーに似たような髪色をした髪の長い美少女 愛原希空は2人より1つ歳上で3年生。彼女はRich!花畑学園に通うRichな生徒達の中でも群を抜いた世界レベルでRichなお嬢様。「金で解決しない事は無い。世の中金が全て」と両親に言われ育てられたため何か起こるたびに札束が詰まった頑丈なシルバーのケースを開くのでいつも一緒に居る季優と優人を含めRich!花畑学園の教師陣や生徒達が止めに入ると言うプラス騒動を起こらせる事がしばしあるある意味問題児。
そんな3人が今僕が寝床にしているこの部室のLOVE応援部の部員なんだにゃ。
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