17人が本棚に入れています
本棚に追加
/435ページ
LOVE応援部の活動内容は名前の通りこの学校に通う生徒達の悩める様々な愛、つまり“恋”をありとあらゆる手で応援すると言う極めて単純で善良な心のある人間ならばこの部に所属してない人間でも誰でも出来るような簡単なものにゃ。
ちなみにこの3人の部員達が集まった理由は季優はさっき説明した通りで優人はただ季優の親友だからで希空にいたっては自由な学校の中でも特に自由そうな場所だったからと言う適当な理由である。
しかし何の運命やらこの3人、愛原、愛屋、愛内と苗字の頭におんなじ愛が付いてるもんだから本当の所属理由を知らないでいる生徒達からは似た名前だから集まってんだと勘違いされているらしいにゃ。もちろんその事は3人は知らないでいるけれどももしいつか知ったらいったいどんな顔するんだろうかにゃ……。
「ふむ……。去年は3人、今年は…1人…。うんうん上々ですね!って、そんなわけあるかーいっ!!」
突然床に白い紙を叩きつけた季優を見て「どうした?」と優人が冷静に尋ねた。
「これですよ、これ!これこれ!」
「何よ?」と希空も顔を上げた。
季優は床に伸びた白い紙を拾うと「ご覧下さい!」と〔活動記録〕と書かれたほぼ空欄のまっさらな紙を2人に見せ付けた。
「あん?これがどうかしたのかよ?」
「どうもこうもありませんよ。僕達この部活始めて2年目でしょう?なのに活動記録がほぼ無いんですよ?やばいでしょう?希空さんなんてもう来年卒業なのに入学願書の部活欄に何も書く事無いんじゃまずいでしょう!?」
「私パパの会社に入社する事決まってるから全然まずくないし」
「なんですってぇ!?」
腹立つぞぼんくらの一言くらい言ってやれにゃ。季優にバチは当たんにゃいから。
悪気無く言ってネイルサロンの予約の電話を入れ始めた全てに余裕の希空を泣きながら見ている季優の肩を優人が「きーちゃん元気出せよ」とポンとたたいた。
最初のコメントを投稿しよう!