1話・集結LOVE応援部

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「……ま、今までは少なくとも適当に2、3人依頼があったから何とか誤魔化しては来たけどこのまま真っ白で提出したら今度こそ学園長にでも呼び出しくらいそうだな」 確かに…。僕もつい頷いてしまった。 今までは活動記録を提出する度に「この部活動がある意味があるのか?」と色々周りから突っ込まれたりした事は多々あったけどその都度「それでも依頼して来る人はいらっしゃいますから〜、ほら、1人、2人ちらほらとでも、ね?」と笑って言って何とかギリギリ廃部を免れては来たけれどさすがに今年に入って依頼者0人ともなるともう逃げられにゃいだろうにゃぁ……。 「ただでさえ部活人数の規定数を満たしてないのに加えて活動記録がこの有り様では僕達は今度こそ今月末の部活動会議で“お前達応援部はクビだ!”って消されてしまいますよ!どうすんですかぁ!?」 「つうかその前に最初からこの部に人数揃ってなかったのによく作らせてくれたよな」 「許可してくれたの学園長だっけ?貴方よく話し通せたわね」 「そこはほらぁ…ね?」 えへえへ笑いながら手のひらの上でゴマ擦りして見せる季優を見て 擦ったのか… と僕達は奇跡的に同じ事を思った。 「まぁ冗談はさておき…」 冗談だったのかにゃ。 「学園長には部員はそのうち集めますって約束したんです。規定範囲である5人は今年の12月までには集めますってね」 「無理だろ」 「無理ね」 絶望的だにゃ…。 「諦めないで下さい〜っ!!僕達卒業出来なくなってしまいますよ!?留年です!留年!」 「は?ちょ、待て。“僕達”って何?留年だぁ?」 「何の話しよ?」 「いえね、学園長に我儘を言って無理くり部活を作らせてもらいましたので約束を破ったら腹括って今居る部員全員1年生からやり直しますって啖呵切って来ちゃったんですよねぇ」 えへへぇ〜と朗らかに笑う季優を見て部員2人が頭から火を噴かせた事は説明するまでもにゃいだろう。しかしまぁ季優ものんびりしてそうに見えて随分大胆な事を約束して来たものだにゃ。こんなへんてこな部活に部員が居るだけでも奇跡のようなものなのに更にここから2人増やさなきゃならないにゃんて絶対無理に決まってるにゃ。 ぎゃあぎゃあ言い合ってる3人を横目にぐ〜っと背伸びするとバンッと部室のドアが激しく吹っ飛んだ…までは行かないがドアが外れたのは間違いにゃかった。
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