遥香の秘密

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遥香の秘密

火事になったアパートには、奏汰と妹の沙耶が二人で住んでいて、幸い沙耶は最近出来た彼氏の家に転がり込んでたみたいで事なきを得た。 だが、数日前に彼女にフラれた奏汰には行く当てがないらしい… 俺と奏汰は小さい頃からの幼なじみで、よくお互いの家に行ったりして遊んでいた。 奏汰ん家には元々ママがいなくて、パパも俺らが高校生になった頃からはあまり家に帰ってこなくなて、遊びたい盛りだった俺らはよく奏汰ん家に入り浸り、悪友達とつるんでは朝まで酒飲んだり悪さしたりと、やりたい放題やっていた。 そして俺は高校を卒業し大学へ進学して一人暮らしを始めたが、奏汰はちゃんとした仕事にも就かず、プラプラしながら女の家を転々としてお金を貰って何とか生きている状態で、こんな奏汰を放っておけずに俺の家に一緒に住んでいた事もあったけど、ある事をきっかけに家から追い出した経緯がある。 今回は事が事だから仕方ないとは言え、俺としては何日も家にいられるのは親友と言えども正直困る。 なのに結局、二日経っても五日経っても奏汰が俺ん家から出ていく事は無くて、まだもうちょい、あと一日だけ!って言いながらズルズルと居座り続けていた。 俺が仕事に行ってる間にバイトに行ってるとは言ってるけど、それもどうだかわからないし、上がり込める女が見つかれば出ていくって言ってるけど、それもそれでどうなのか。 俺は色んな意味で、こいつが心配で仕方がない… そして、1週間も経てば溜まるもんも溜まってくる訳で、彼女なんて居ない俺は自分で欲求を満たすしかないのに、奏汰が居たらしたい事も出来ないわけで、隙間時間を見つけて試みようと思ったが、俺が帰ってくる頃には必ず奏汰がいるし、なかなかそれもリスキーで悶々とする日々を送っていた。 そんなある日の仕事中、やっと泊めてくれる女が見つかったと奏汰から連絡があり、これはチャンスだとばかりに仕事を早めに切り上げて家に帰り、念の為鍵を掛けて1人でする準備を始めた。 今日はあっちまで出来るだろうか…と、想像しただけで疼いてきてもう我慢できない… そう、それは多分…奏汰の知らない俺。 絶対に知られたくない俺の姿… 「…っ、はぁっ…あっ…」 イヤフォンを片方だけはめて、お気に入りの動画を再生する。 最初は周囲に気を使いながら、もし万が一鍵が開いた音がしたら即止めれるようにと片方だけ外していたイヤフォンも、興奮が増す毎に物足りなさをさを感じて、完全に両耳を塞ぎ周りの音を完全に遮断してしまった。 「あ…っ、んっ…あぁっ!イク…ッ///」 必死に右手を動かし、一度目は前だけでイッてしまおうと速度を早めれば、あっという間に絶頂に達し、シーツを白濁で汚した。 この時、俺は久しぶりの自慰に興奮し過ぎたあまり、奏汰が帰ってきてた事に、全く気がついていなかったんだ。
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