序幕

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序幕

 ずっと、昔のこと。  一人の男と女が、管狐(くだぎつね)の住むという洞窟で出会った。  二人は恋に落ちるが、その先に待っていたのは永遠に結ばれない運命だった。  村人に追われて洞窟で落ち合った二人は、最後の口づけを交わした後、それぞれ別の出口へと向かう。  洞窟のひとつの出口は狐集(こしわ)池へと、もうひとつの出口は村の神社へと繋がっていた。  真っ暗な洞窟を出た時、二人はお互いの記憶を失っていたという。  それ以来、この洞窟は『クダの回廊』と呼ばれている。
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