7人が本棚に入れています
本棚に追加
/62ページ
序幕
ずっと、昔のこと。
一人の男と女が、管狐の住むという洞窟で出会った。
二人は恋に落ちるが、その先に待っていたのは永遠に結ばれない運命だった。
村人に追われて洞窟で落ち合った二人は、最後の口づけを交わした後、それぞれ別の出口へと向かう。
洞窟のひとつの出口は狐集池へと、もうひとつの出口は村の神社へと繋がっていた。
真っ暗な洞窟を出た時、二人はお互いの記憶を失っていたという。
それ以来、この洞窟は『クダの回廊』と呼ばれている。
最初のコメントを投稿しよう!