19人が本棚に入れています
本棚に追加
付き合い始めて、約2ヶ月。
川瀬への愛情が高まり切った僕は、
いよいよ川瀬に抱かれることを決意した。
川瀬にそれを伝えると、
明らかに緊張を噛み締めた表情で、
川瀬が言った。
「ホントにいいんだね」
「ああ。後悔しない。僕の初めてをあげる」
よく考えれば、
魔法をかけてセックスまで行き着いた相手と
川瀬の仲が一生続いていたのなら、
僕の出番はなかった訳だが、
そんなことはまるで考えもせずに、
ただ進展を望んだ。
数日後。
事前の準備を万端にして、
街道沿いにある人気のラブホに足を運んだ。
時間をかけて2人でシャワーを浴び、
ダブルベッドに静かに横たわった。
「岸野くん、好きだよ」
「僕も、川瀬が好きだ」
深いキスを挟みながら、お互いのカラダで
感じるところを貪欲に追求していき、
前戯と呼ばれるものを一通りした。
そして、いよいよ迎えたその瞬間。
「岸野くん、痛かったら言って」
「うん。わかった。挿れていいよ」
ローションで濡れた大切な部分に
川瀬のが当てがわれ、押し広げられていく。
「んあっ」
その独特な圧迫感でたまらなく切なくなり、
僕は短く声を上げ、川瀬にしがみついた。
「岸野くん、大丈夫‥‥?」
「大丈夫‥‥川瀬、もっと奥に挿れて」
「うん」
川瀬に両腰を持ち上げられ、
深々と挿れられたのを確認してから、
大きく息を吐いた。
「動いていい?」
「うん」
しかし川瀬に揺らされしばらく経つと、
僕は違和感を抱き始めた。
最初は緊張しているだけかと思った。
確かに気持ちがいいし、
愛する川瀬とセックスできた喜びは
しっかり自覚できていたが、
何故か違う違うと心が叫び始める。
目を閉じた川瀬は腰を振りながら、
僕に唇を重ねてきた。
川瀬のキスから受ける影響は、
快楽と言って間違いなかったが。
何だ?この濃紺に染まった部屋は。
最初のコメントを投稿しよう!