結尾美織はみそ汁が飲めない

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 私は、その通りだと思い、言われるままに謝った。  友達も許してくれた。  本当ならこれで解決するはずだった。 「それじゃあ新しいみそ汁を持ってくるわね。・・・ちゃんはお着替えに行きましょう」  そう言って担任は、私のみそ汁を取りに行こうとしたので私は慌てて止めた。 「先生、私みそ汁に逃げられるんです。だから持ってこないで」  今思い出しても意味不明な言葉だ。  この言葉の意味を正しく理解出来るのは現在でも数名しかいないと思う。  案の定、担任も意味不明と言った表情を浮かべる。 「どう言うこと?」 「だから、私のところにみそ汁を持ってくると逃げちゃうので持ってこないで」  担任は、その言葉を私の好き嫌いと捉えたようだ。  そして一つの結論に達した。 「美織ちゃん。ひょっとして落としたんじゃなくてわざとみそ汁を投げたの?嫌いだから?」  私は、慌てて首を横に振って否定した。  しかし、なぜか担任はそれを肯定と取った。 「いい?美織ちゃん。例え嫌いな食べ物でも投げたりとかしちゃいけないのよ。食べ物は粗末にしちゃいけないの。それがお友達にも迷惑かけるのよ」 「だから投げてないもん!」
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