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「それで?この三人の中でどの件が、犯罪に関わりありそう?」
一通り依頼内容を思い出し、凪がそう呟くと、京次郎も「うーん」と首をひねった。
「普通に考えたらヤクザのオッサンだけどねぇ。あの話は全部嘘で、やばい取引をしに行ってたとか、誰かを殺していたとか」
考えられないことはないけど、そんな安易なと突っ込みたくなる二時間ドラマみたいだ。「じゃあ」と凪も言葉を繋げる。
「交通事故の青年が、自分が足を失う原因となった事故の相手に、復讐した」
「相手も、同じ町の人間だったのか?」
確かに彼は自分の町を周っていただけだ。
京次郎が「そうだ!」と手を打った。
「あのディズニーに行った人。彼女と一緒にって言ってたけど、僕たち彼女を一目も見ていないよね。事情は知ってそうだし、ここまで付いてきても良さそうなものなのに」
そこで顔をグッと凪に近づけた。
「本当に、彼女が一緒に行動していたのかな」
「いや、まぁ」
凪はどう答えて良いか分からなくて、言葉を濁した。
ディズニーランドに一人で行っても楽しくないだろうと思っていたから、「彼女と」という言葉に何の違和感も抱かなかった。現地で待ち合わせかな、と思ったくらいだ。
だが、確かに、「彼女」の存在は彼が言っただけだ。
でも、それだけでおかしいとは決めつけられない。
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