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小学校から元気に帰って来た愛ちゃんは、いつもの様に帽子とランドセルをお部屋に置きに行ったんだ。その時、ゲージの中でおやつを食べていた僕は、愛ちゃんの悲鳴を聞いて驚いたんだ。
それで洗濯物を取り込んでいるママを吠えて呼んだんだよ。
「何よマル、お客さんでも来た?」
「ワンワンワン! (愛ちゃんに何かあったみたいだよ)」
その時、「杏、返してよ!」って叫びながら、愛ちゃんが杏ちゃんを追いかけてリビングに入って来たんだ。
杏ちゃんの頭には、菜々美おばさんから貰ったカチューシャが付けられていて……。
「何で杏がつけてんの? 机の引き出し開けたの?」
「色えんぴつ探してたの!」
「自分のあるでしょ?」
「おねえちゃんの方がいっぱい色があるもん!」
声の感じから、愛ちゃんがすっごくイライラしているのが分かったんだ。
「もう! 私が菜々美おばさんから貰ったの! 返して!」
「杏もほしい!」
「それはダメ!」
杏ちゃんの頭のカチューシャを愛ちゃんが思いっきり引っ張ったんだよ。
「イタイ! 髪が抜けた…イタイ」
「二人とも、いい加減にしなさい!」
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