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今のように、塾などで家族みんながバラバラに夕食を取ると言う時代より前のことだ。
ましてや葵のうちは、朝は早くから両親が仕事に出てしまっていたし、昼は学校で給食、自然に夕食は全員揃うこともあって、学校での様子やしつけの時間になっていたのである。
決まって口をきくのは父親の修二で母親の明子は子どもたちがちゃんと食べているかを見ながら黙って食べていた。
修二は苦労した分厳しい人で子ども扱いはしないし短気なところもあったが、情にはとても厚かった。
明子は働き者で優しくていつも家族のことを心配しているような心配性なところがあった。
そうかと思うと天然なところもあったりしておおらかな人柄だったので子どもたちも、もちろん父親の修二も明子のことが大好きでこの家族の太陽のような存在だった。
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