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葵のうちの夕飯はいつも遅かった。
両親が自営業で共働きだったからだ。
兄弟三人、それぞれ役割があって、両親が帰宅するまでにやっておかなければならないことがあった。
まず兄の文彦は雨戸を閉めてお風呂を沸かしておくこと。
葵はご飯を炊いてみそ汁を作っておくこと。
弟の悠太はお兄ちゃんとお姉ちゃんの手伝いと勉強部屋の雨戸を閉めておくことだった。
できる範囲でこれだけやってあればお母さんが帰って来ておかずを作ればすぐにご飯にすることが出来るから…あと、お母さんが少しでも楽になるようにと教えられていたからだった。
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