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「あの…質問してもいいですか?」
「どうぞ」
「その…ヘルメット外さないんですか?」
実は、彼は部屋に帰って来てからも
ヘルメットを外さずに私と話をしていたのだ。
普通に外すだろうと思っていたけど
あまりにも外さないことに、さすがに違和感を感じた。
「えっと…これは顔に、傷があって、人前で見せたくないというか。きっと君は気にしないんだろうけど、ちょっと」
「そうなんですね。ただ呼吸しずらいんじゃないかなって思って」
「呼吸は大丈夫なんだけど、こんなん怖いよねwじゃあ、マスクするから、あっち向いててもらってもいい?」
「分かりました」
後ろを向くとヘルメットを外す音が聞こえて
頭を振って髪の毛がバサバサとぶつかる音も聞こえてきた。
「お待たせ」
「え!あ、ごめんなさい、驚いちゃって」
振り向いたら、マスク姿だけでなく
黒いサングラスもしていて
怪しさ満点の顔になっていた。
「サングラスはどうして?」
「えっと…目にも傷があって」
「なるほど…あ、子ねこちゃん起きたみたいです」
「そういえば名前」
「そうですね、名前決めてないですね」
「それもだけど、僕たちお互いの名前、聞いてなかったよね?」
「そういえば、そうですねw私の名前は結花です。大学2年です」
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