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「俺の名前は...」
「?」
「蒼」
「蒼さん、この子の名前はどうしますか?」
「ん~名前は難しいな。結花は?」
「私ですか?」
いきなり呼び捨てされてびっくりしたw
一定の距離感を保つわりには
距離をいきなり縮められたリして
蒼さんの距離感は分からない。
「なかなか難しいですね。ただ、一つだけいいなっていう名前があります」
「待って!俺も今いいなって名前があるんだけど…同時に言わない?」
「同時にですか?」
「きっと…同じ名前を言ってくれるって自信があるから」
「分かりました」
「じゃあ、せーの」
「「さくら」」
「どうして分かったんですか?」
「何となくw」
「蒼さんは、どうして、さくらがいいんですか?」
「桜の花びらに、思い出があるから」
「そうなんですね。その思い出って――」
話を続けようとした瞬間、私の携帯が鳴り響いた。
着信相手は、母だった。
蒼さんもジャスチャーで電話に出てと合図してくれた。
「もしもし、ごめんなさい。まだ今外で。え?そうなの?お父さんは?そうなんだ、うん、分かった、じゃあ」
「大丈夫?家まで送るよ」
「違うんです、今日晩御飯を作ろうと思って買い物もしてたんですけど、父は遅くなるみたいで、母は習い事仲間とご飯を食べて帰るって」
「材料?」
「あ!ずっと出しっぱなしにしてた!私、帰ります、あ……」
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