ちょっと困った魔王さま

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 瓦礫の中で激しい戦闘を繰り返し、しまいには瓦礫を吹き飛ばすほどの破壊力であたり一面が焼け野原になって、  それでも勇者は立ち上がり、魔王のオレも食いしばり、  最後の最後にはお互いの魔力とかが尽きて、剣でのみの戦いになる。  勇者は伝説の剣、魔王のオレは地獄界の魔剣かなにかで戦って、  本当の本当の、  本当の最後に、互い違いにオレたちは刺し合う形になって、 「お前だけは、認めてやる」とかなんとかオレが言って、 「ああ、俺もだ」と勇者も言ってくれて、  最後に魔王のオレがずり落ちるように倒れて、  勇者がそんな倒れた魔王のオレを抱いてくれて、  長きに渡る苦しい戦いが終結を迎える、  というような話を予想していたのに。  勇者が弱すぎた。  勇者は負けた。  魔族の勝利だ。  魔王はとりあえず笑ってみた。 「グハハハハハハハ、これで世界征服も完了した。世界は我が手中にある。人間ども、主従関係は逆転だ。これからは魔族の世界となるぞ、フフフ、ハハハハハ、ハッハッハ、  はぁ(*´д`;)」  とりあえず魔王は勇者たちを魔法で天国に移送した。
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