ちょっと困った魔王さま

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 こいつらは「いいやつ」だから、天国に移送。これでよし。  次にどうしようか魔王は考えた。  少し部屋をうろうろしてみた。  うろうろするうちに、お腹がすいてきた。  一応のところ、自分の部下は人間たちにやられてしまったし、今は魔王一人しかいない。  魔王は自分の腹に手を当てながら冷や汗を流した。 「オレ、料理、できない」  どうしよう、どうしよう。  部屋を一人で歩くスピードが上がった。  焦りだしたのだ。 「いや、待てよ」 「オレは今や世界の支配者なんだ。捉えた人間どもを使えばいい」  魔王は指パッチンをして自分のヒラメキを自分で褒めた。  地下の牢屋に出向くと、人間たちが柵越しに怒鳴りだした。 「魔王の思うようにはいかないぞ! 我ら人間をなめるな」 「五大陸が結束し、伝説の勇者が現れたいま、世界は平和へと向かう!」 「ふざけるな魔王!」 「ここから出せ!」  魔王はコツコツと歩きながら、人々の罵声を聞いたあと、周りを一瞥した。  あたりは一瞬で静まりかえった。  魔王なだけに、威圧感は半端ないのである。  魔王は黙って牢屋を出て行った。
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