ちょっと困った魔王さま

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 この状況の中で、「だれかごはん作って」なんて、言えない。  ぜってー言えねぇー!!!!  魔王はグーグーなる自分の腹をさすりながら作戦を練った。  どうしよう、森にでもいって動物を狩るか、 「おい! 世界の支配者が地味なことしてんな」  と、自分で自分にツッコミをいれて励ました。  魔王も楽じゃない。  少しして、魔王はふたたび指パッチンをした。 「よし、あそこに行こう」  要人の牢屋である。  世界の主要人物をそれぞれ集めた特別施設。  ひとつの島を監獄にしているという牢屋の中のVIPルームだ。  魔王は島へテレポートし、集会をひらいた。 「勇者は、死んだ」 「世界征服が完成した」  そんなことを告げたあとに、魔王はスピーチをした。 「すべてを焼き尽くしたこの戦争が集結した今日は、我ら魔族と、あなたたち人類にとって、歴史的に重要な日となるだろう。  私には、夢があった。  魔族の繁栄だ。  今まで人類に虐げられ、利用されてきた魔族が立ち上がるときだと、決意し、  世界征服を企んだ。  あなたたち人類が、人間同士で世界戦争をしているあいだ、
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