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相棒という言葉がある。正式な意味はあるだろうが堀江と佐藤は『唯一無二の信頼関係』の言い換えとして使用していた。
「俺たちは相棒だよな」
仕事終えた後、堀江が佐藤に確認する。
これは儀式のようなものだ。
目の前で転がっている亡骸を作り出した罪。それを二人で背負うという意味である。
非合法な組織に所属する堀江と佐藤は『後始末』と呼ばれる仕事を請け負っていた。何を始末するのか、そんなものは亡骸が教えてくれているだろう。
佐藤は煙草に火をつけながら頷いた。
「ああ、相棒だよ」
幼い頃から周囲に疎まれてきた堀江と佐藤。二人は友人であり兄弟であり相棒だ。
どのような時も一緒に人生を歩んできた存在である。
非合法な組織に所属することになったのも、小金を稼ぐ『仕事』で堀江がミスを犯し、命を乞うために佐藤が所属を決めたのだった。
そうしたかったわけではない。けれど生きるためには泥水を啜るしかなかった。泥水で飢えを凌ぎ、荊で魂を洗う。そんな生活を続けていられるのも互いの存在が大きい。
二人だからこそ生きていられる。お互いにそう思っていたし、紛れもない事実だった。
煙草を咥えながら佐藤が亡骸を片付けようと持ってきていた布袋を手に取る。
そのタイミングで二人の上司、中垣が現れた。
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