Remote ***【溺れる獣と甘い罠】番外編(4)

16/26

419人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
  『まあ、前向きになってくれたみたいで何よりだ』 「それはまあ……ちょっと楽しみになってるけど」 『ふうん? ちなみに、その楽しげな想像の中に俺はいるのか?』 意地悪そうな視線を向けられて、つい、唇を尖らせてしまった。 「……ご想像の通り、普通にいらっしゃいましたけど?」 だって、新居のベランダで楽しい晩酌タイム、を想像したとき。 当たり前みたいに、長瀬はそこにいた。 冷えたビールを持っていたり、グラスを掲げていたり、おつまみを味わっていたり、こちらを向いて微笑んでいたり。 想像上で切り取ったシーンのどこにでも、長瀬は自然に馴染んでいた。 わかりきっていることを聞く長瀬に不満げな顔を向けて、あれ? と思う。 長瀬にしては珍しい、複雑そうな顔……っていうか。 .
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

419人が本棚に入れています
本棚に追加