Remote ***【溺れる獣と甘い罠】番外編(4)

19/26

419人が本棚に入れています
本棚に追加
/26ページ
  過去のこととはいえ、気まずいことこの上ない。 視線を彷徨わせる私に、長瀬はくつくつ笑いながら言った。 『あれは、予想外だったな』 「そ、それはだって……」 『あんなに全力で断られると笑えてくるんだよな、初めて知ったよ』 「いや、あの、でもさ……」 『ああ、わかってるって』 ふっ、と、長瀬の表情が切り替わるのがわかる。 面白がっている顔から、少し意地悪な顔に。 『今は違う、もんな?』 挑戦的な眼差しから、逃れるみたいに目をそらす。 「……わかってて言わないでよ……」 『ははっ』 またもや遊ばれてしまった私は少しふてくされて言う。 それを見て楽しげに笑った長瀬は、明るく言った。 .
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

419人が本棚に入れています
本棚に追加